◎名球会40周年記念フェスティバル

日米野球界で活躍し、時代をリードしたレジェンドたちが集う「名球会ベースボールフェスティバル2018」を2018年11月23、24日の両日、東京で開催した。名球会40周年を記念して企画されたもので、23日は東京ドームホテルで「前夜祭」のパーティー、翌24日は東京ドームでセ・パ対抗試合を行った。(カッコ内の球団はプロ入り時)
 前夜祭には山本浩二(広島)理事長、王貞治(巨人)顧問を始め、名選手約50人の会員が出席し、今年2000本安打を達成して名球会入りしたソフトバンクの内川聖一外野手(横浜)とロッテの福浦和也内野手が紹介された。
 対抗試合はセ・王、パ・張本勲(東映)両監督のもと7イニングで戦い、セ・リーグが6-5でサヨナラ勝ちした。観衆2万9300人を沸かせた。
 長嶋茂雄(巨人)顧問は入院中のため欠席した。
 名球会会員は現在65人で、投手16人、打者49人。

▽「名球会にピッチャーが少ないのは問題」と王顧問

前夜祭では最初に挨拶に立った王顧問が「日本のスポーツは2020年のオリンピックで盛り上がっている。野球は日本の国技であり、もっともっと底辺を広げて大事にしていきたい」と語り、名球会の今後について「会をつくった当初は投手が多かったが、最近は投手が少ない。この現状を考えなくてはいけない」と、投手資格(200勝、250セーブ)に対して問題提起した。

 続いて、山本理事長が壇上に立ち、名球会40周年記念のフェスティバル開催の喜びを述べ、会員と関係者への協力に感謝の言葉を伝えた。
 この後、新会員の内川、福浦両選手が入会お披露目で「非常に緊張している。名球会の名に恥じないように頑張っていきたい」と挨拶し、気持を新たにしていた。

▽甦ったスター同士の対決、3万人ファン感激

パ・リーグ 022 010 0  5
 セ・リーグ 000 500 1x 6
 セ・パ対抗試合は、出場選手が入団当時のチームのユニホームと背番号で登場。3000本安打の張本が東映のユニホーム、背番号「8」で大活躍した山本理事長は「27」。選手が紹介されて登場するたびに大歓声が上がった。始球セレモニーは1回の表裏に行われ、表は小山正明(阪神)、裏は米田哲也(阪急)両300勝投手が務めた。
 セの先発は「男気」黒田博樹(広島)、パは「トルネード」野茂英雄(近鉄)と大リーグで好投した両投手。パは2回に秋山幸二から和田一浩、松井稼頭央と西武勢に福浦まで4連続安打し、2点を挙げた。その裏、日本シリーズのサヨナラ本塁打で知られる王と山田久志(阪急)が対決、一本足打法をアンダースローが空振り三振に仕留め雪辱を果たした。3回にも中村紀洋(近鉄)が左中間二塁打などで2点を追加。
 4点を追うセは4回、工藤公康(西武)が登板すると、立浪和義(中日)前田智徳(広島)阿部慎之助(巨人)が3連打し、さらにアレックス・ラミレス(ヤクルト) 谷繁元信(横浜)も連打するなどして一挙に5点を奪い逆転した。
 パは5回に高津臣吾(ヤクルト)から再び和田が打ち、松井、福浦が連続安打し、新井宏昌(近鉄)の右犠飛で同点とした。
 そして最終7回裏、セは1死満塁から阿部が前進する中堅手と右翼手の間にポトリと落とした。これがサヨナラ打となり「熱戦」の幕を閉じた。
 阿部はMVPに選ばれ、ハワイ旅行の副賞も手にした。ヒーローインタビューで感想を聞かれると「(あの当たりで)恥ずかしい、です」。スタンドがワッと沸いた。

◇参考:先発オーダー(チーム名は入団時)

セ・リーグ         パ・リーグ
9 柴田 勲 (巨人)   8 福本 豊 (阪急)
4 高木守道 (中日)   4 山崎裕之 (東京)
8 山本浩二 (広島)   D 張本 勲 (東映)
D 王 貞治 (巨人)   7 土井正博 (近鉄)
3 松原 誠 (大洋)   5 有藤通世 (ロッテ)
7 ラミレス (ヤクルト) 9 秋山幸二 (西武)
2 古田敦也 (ヤクルト) 7 和田一浩 (西武)
6 野村謙二郎(広島)   6 松井稼頭央(西武)
5 鳥谷 敬 (阪神)   3 福浦和也 (ロッテ)
P 黒田博樹 (広島)   P 野茂英雄 (近鉄)