「幻の球場と熱きレジェンドたち」…球場物語(岡田 忠=朝日新聞)

野球場には音があり匂いがあって特別な緊張感が流れている。なかでも、時代の波にのまれて消えてしまった「幻の球場」には、その時代に活躍したレジェンドたちの汗と涙がしみ込んでいるようで、そこで誰がどんなドラマを刻んだのか思いを馳せるだけでワクワクする。

もう二十数年前から古戦場巡りをしているが、まずはプロ野球公式戦を開催した球場から訪ねて書き溜めてきた。ほんの一部を回っただけの道半ばだが、セピア色の球史に惹かれての気まま旅である。取り上げた球場や選手は私のまたくの独断とさせていただいた。

(文中敬称略)

 

『茂林寺球場・分福球場』 (岡田忠=朝日)

◎魂を吹き込んだ千本ノック 寺の領地にあったグランド 江戸時代の「甲子夜話」(かっしやわ)にこんな話がある。 群馬県館林の茂林寺に守鶴という番僧がいて、汲めども汲めども湯が尽きない茶釜でお茶を振舞った。そのことから、福を […]

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第2回 「川崎球場」(取材日2006年4月上旬)

◎川崎球場とサンデー兆治 「儀式」はいつも通り進んだ。白いエナメルのスパイクシューズに真新しい白の靴紐を通す。アンダーストッキングを履く。これも新品だ。ウォームアップを終えるとベンチ裏で汗を拭い、アンダーシャツを着替える […]

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第1回 「平和台球場」(取材日2006年8月上旬)

▽魔術師と野武士たち 「京子(きょうこ)」ちゃん、と誰もがそう呼んだ。戸籍上は「みやこ」と読むのだが、本人もいちいち訂正しない。二十歳から23年間、西鉄ライオンズの場内放送を務めた今泉京子である。  「西鉄の選手は皆さん […]

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