「幻の球場と熱きレジェンドたち」…球場物語(岡田 忠=朝日新聞)

野球場には音があり匂いがあって特別な緊張感が流れている。なかでも、時代の波にのまれて消えてしまった「幻の球場」には、その時代に活躍したレジェンドたちの汗と涙がしみ込んでいるようで、そこで誰がどんなドラマを刻んだのか思いを馳せるだけでワクワクする。

もう二十数年前から古戦場巡りをしているが、まずはプロ野球公式戦を開催した球場から訪ねて書き溜めてきた。ほんの一部を回っただけの道半ばだが、セピア色の球史に惹かれての気まま旅である。取り上げた球場や選手は私のまたくの独断とさせていただいた。

(文中敬称略)

 

第7回「日生球場」(2)完

▽被本塁打560本、人一倍の練習のバネに 輝ける記録に鈴木啓示はさして関心を示さない。彼の頭にこびり付いているのは「560」の被本塁打記録なのだ。2番手の山田久志(阪急)の490本よりはるかに多く、ロビン・ロバーツが持つ […]

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第7回 「日生球場」(1)―(取材日2007年8月中旬)

▽鈴木啓示、わずか観衆2500人の前の大記録 あのノーヒット・ノーランは、39年も昔の、やけに暑い夏の夜の野外劇だった。舞台は大阪城にほど近い小さな日生球場。快記録を達成した近鉄のエース鈴木啓示の唸る快速球は、心地よい一 […]

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第6回 「東京スタジアム」(2)―取材日2007年7月17日

▽引退後もジャージ姿で黙々とランニング 引退して数年経ったころ、「榎本(喜八)が現役帰するらしい」という噂が流れた。一人黙々とジョギングする姿が見かけられたからだ。蕎麦屋の主人、大森もそんな榎本の姿を度々見かけた。 「引 […]

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第6回 「東京スタジアム」(1)―取材日2007年7月17日

▽下町の安打製造機は元祖背番号3 下町情緒豊な東京荒川区の南千住に“下駄履きで通える”と親しまれた野球場があった。大毎オリオンズの本拠、「東京スタジアム」である。 一夜城のように誕生し、わずか11シーズンで姿を消した幻想 […]

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