◎春のキャンプ(菅谷 齊=共同通信)
「優勝を目指す」と声高らかにプロ野球の各チームが春のキャンプに行く。2月1日の“球界風物詩”である。
春のキャンプはペナントレースを勝ち抜くための練習である。シーズン終了後の秋のキャンプは若手選手育成のためで、狙いが違う。春のキャンプは分かりやすく言えば、レギュラー争奪戦。毎日の練習に緊張感が漂う。選手の顔つきが違うし、監督をはじめとする首脳陣もそう。
この春のキャンプでもっとも恐れているのが故障とケガ。それが原因で練習を休もうものなら確実に調整に後れをとる。たとえ短くとも。長期だとシーズンの半ばまで響いてしまう。
振り返ってみると、優勝するチームや上位チームは故障者が少ない。自己管理がしっかりしている証拠である。現在はチームにトレーナーなどがいて選手をしっかりと管理しているけれども、無理をして体を痛めることが少なくない。
選手は正月を過ぎると、半ばにはほとんどが自主トレーニングを行い、キャンプに備えている。以前は一人で山こもりする選手がいたけれども、現在は何人かまとまって体を動かしているケースが多い。楽しそうである。
キャンプのもう一つの目的は「合宿してチームワークを作る」ことがある。朝の散歩から食事、練習、ミーティングと常に同じ行動をしている。この方式は高校や大学と変わりはない。一致団結、チーム勝利のため、と大の大人が誓い合うのが春のキャンプなのである。
2月後半からオープン戦、3月下旬に開幕。時は早く過ぎる。(了)