「たそがれ野球ノート」(23)-(小林 秀一=共同通信)

◎研修中に侍メンバー選考
この4月、孫が社会人としてのスタートを切った。
学童野球、リトルシニア、高校野球と歩み、大学ではアルバイト先や友人とのクラブチームを掛け持ちする一方、プロ野球のスタンドに通いつめ、学業はほぼ二の次だった。(OBクラブのサイトを読んでいる本人からは多少異論が出るかもしれないが)
私とは二世代差を乗り越えて良好な関係を維持していたので、顔を合わせれば野球の話題で盛り上がった。おいぼれたたそがれ記者も、フレッシュな感覚に触れることができ、こちらの昔話にも耳を傾けてもらった。
学生時代に本拠地球場を制覇するという彼の目標達成に付き合い、エスコンフィールド、マツダスタジアム、バンテリンドームでの観戦を果たした。きっかけがなければとても歩き回る気にはなれなかったと思う。
ネクタイ姿になって、1カ月に及ぶ新人研修に取り組んでいるから、少しは頭の中が切り替わっているのかと思っていた。ところが、研修の受講中の眠気覚ましが来春のWBC侍ジャパンのメンバー選考とチーム力検討だったという。
自分も同じ時期、研修はうわの空だったなあ、と若き日を思い出しながら、分析の成果を送ってもらった。表紙には侍ワッペンを張り付け、まるでプレゼン資料のようなパワポデータには驚かされた。
ポイントだけ紹介するのでお付き合いください。
先発は山本、佐々木、今永、才木で、第二先発にはゾーンを攻める投球ができる宮城、高橋、千賀、今井。中盤には経験豊富な伊藤、戸郷,平良、セットアッパー、抑えには松井、松山、大勢を選んでいる。
大谷の投手起用は流動的だが、15人枠の投手の条件は、狙って三振を取れること。詰まってもスタンドに運ぶ力がある相手に通用する布陣を組む。
捕手は山本、坂倉、甲斐。
内野手は村上、岡本、牧、長岡を基本線に、ハイレベルで複数ポジションをこなせる村林や栗原、小園を選んだ。
外野手はヌートバー、吉田、鈴木のメジャー組に加え、周東、辰己と攻守のスペシャリストを選出。控えは二人だが、栗原、岡本が外野に回れるので数的には問題ないだろう、としている。
最後は予想先発メンバーで締めくくっていた。
1(中)ヌートバー 2(指)大  谷 3(二)  牧  4(右)鈴  木 5(三)村  上 6(一)岡  本   7(左)吉  田 8(捕)山  本 9(遊)長  岡(了)