◎球界の改革(菅谷 齊=共同通信)

野球の歴史は“ルールの変遷”でもある。これまでに大きな改革は2度あった。
 まず勝敗が決まる得点。米国で野球が始まったころ、21点先取した方が勝利者だった。イニングは関係なく、どちらかが21点取るまで延々と試合が続いた。極端にいえば朝から晩まで取りっこしていたわけである。それを9回での得点で決着となった。
 大リーグは次に指名打者(DH)制を採用した。それまでの9人ずつだったのが10人になった。これはア・リーグが採用し、9人制のナ・リーグとは異なる試合を長い間続けていきたが、ナもそれに倣った。
 日本はこのDH制度をパ・リーグが取り入れ、セ・リーグも間もなくそうなる。
 ここへきて高校野球で7イニング制度への変更が実現しつつある。これが大学、社会人にプロ野球で行われると新たな改革となる。
 近年の大リーグは様々の変更をしている。投手のボール維持タイム(クロックピッチ)や投手の牽制球の回数などで、投手を縛り付ける改正が多いように思う。
 注目しているのは牽制球の回数。3回目にアウトにしなかった場合、1つ進塁できるというもので、攻撃側とってこれはありがたい変更といっていい。
 走者1塁の場合、俊足の走者は通常よりリードを1歩大きく取る。投手は当然牽制球を投げてくる。同じように3度目も帰塁を目的として大きく離塁する。牽制球を投げられてもセーフなら2塁に進める。投手はそれを怖がって牽制球を投げなければ走者は盗塁を敢行する。このときのリード1歩がセーフをもたらす。
 現に大リーグではそうやって進塁しているケースがある。この制度を日本が取り入れたらそういうシーンが毎試合行われる。日本にとってはお得意の知恵の使いどころになるだろう。
 大リーグは試合時間短縮のためにいろいろと考えているのだが、そのうち走者のリードは禁止になるかもしれない。投手の牽制球がなくなれば時間短縮になる。力いっぱい投げて力いっぱい打つ、という単純な試合がすぐそこに見えているような気がする。
 プロ野球にとって試合時間の短縮は今後さらに問題になる。2時間以内に収まればテレビ放映の復活につながるだろう。2時間で収まらなければ7イニングになるかもしれない。野球はもうゆったりのんびりして観戦するスポーツではなくなる、とファンは覚悟しよう。

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