「たそがれ野球ノート」(38)-(小林 秀一=共同通信)
◎ご冥福、祈ります
共同通信の記者仲間で、少し先輩の三人が、この1年半の間に相次いで鬼籍に入られた。いずれもプロ野球取材に関わり、交流があった方もいらっしゃると思うので、この場で触れさせていただく。
尾形宏志さんは中日、ロッテを担当した後1975年から巨人。スポーツ紙に負けない取材力で長嶋監督を追った。酒席ではいつも楽しい場をつくり、盛り上がってくると「旅姿三人男」や「芭蕉布」の美声が聞かれた。
仲のいいご夫婦としても知られ、退いてから新橋の寿司屋で二人をお見掛けすることも多かった。ところが、奥さまに先立たれてから外出が減り、持病も悪化して一昨年暮、後を追うようにして亡くなった。享年80歳。
尾形さんと同期入社(1968年)の松本剛さんもプロ野球記者だった。阪急や日本ハムなどを担当。高野連元事務局長の田名部和裕氏とは関西大学時代からの親友だった。
尾形さん逝去の知らせをいち早く伝えようと、松本さんのご自宅に電話を入れたが、娘さんが出られて入院中だと知った。それから1カ月もあけずに亡くなったという連絡が入った。
お二人と同年代で大阪スポニチから共同に移った田坂貢二さんは大阪、東京でプロ野球を担当した。なにより西武、ダイエーのフロントで辣腕を振るった根本陸夫氏の懐に飛び込んだことが田坂さんの勲章だろう。球界の裏を知る大どころのもとで、流れを見極める目を養った。
数年前に脳梗塞を起こしてから施設に入所していた。この3月、久しぶりに面会し、元気そうな様子だったが、その直後に肺炎を起こし、2カ月後に亡くなった。
つらい別れが続いてしまった。あらためて先輩三人のご冥福を祈りたい。そろそろ打席が回ってきそうだな、と思う今日このごろ…。(了)
