「いつか来た記者道」(14)-(露久保孝一=産経)

◎チーム連敗の記録は選挙の年に起きる 

▽令和元年の悲劇、連敗の続出

令和元年の祝賀ムードに沸いた2019年はプロ野球界では「波乱」が続いた。ホームランが例年になく多く、パでは西武の「大砲」山川穂高が序盤から量産したが、セでは巨人の坂本勇人、ヤクルトの山田哲人らいわゆる「中距離打者」がキング争いをしているのである。打撃センス抜群の打者たちならではのホームラン競演ではある。
 一方で、悲劇が起きている。チームの連敗が長期化する(?)という流行のような現象である。ヤクルトは5月から16連敗した。6月2日のDeNA戦で、負ければセ新記録となるところを、小川淳司監督が先発の野手を3人入れ替えるなどしてかろうじて勝利した。セ・リーグ4連覇をめざす広島は、6-7月に1分けを挟んで20年ぶりの11連敗を喫した。広島は3連戦の初戦に負けるという「悪の巡り合わせ」に見舞われ、カート初戦の連敗も10続いた。王者は暑い夏を迎え巻き返しに挑んだ。

▽ジョニー黒木まさかの失投、ああ18連敗

連敗といえば、シーズン日本最多記録は1998(平成10)年に、千葉ロッテが喫した18である。16連敗の次の試合で、当時エースだった黒木知宏投手は7月7日、オリックス戦で9回裏二死一塁、連敗トンネル脱出へ「あと1人」までこぎつけた。ところが、よもやの同点2ランを浴びる。結局、ロッテは敗退した。この試合は注目されフジテレビ系が中継した。テレビを見た多くのファンは、「ああ、ジョニー黒木。七夕の悲劇だ!」と胸を締め付けられた。
 翌日も負けて18連敗に。近藤昭仁監督はさすがに苛立ち、「人が困っているのを写真に撮って楽しいか」とカメラマンをなじった。次のオリックス戦に勝って連敗地獄から解放されると、「さあ、これから20連勝や!」と自分を奮い立たせた。

▽参院選と連敗の符合はまたやってくる?

優勝を目指してスタートした近藤監督は、精神安定剤の薬にも世話にならなければならないほど悲運に見舞われた。無念すぎるシーズンだった。同監督は、大洋(現DeNA)での現役時代には、日本シリーズМVPに輝くなどいぶし銀の活躍をしたプレーヤーであったが、監督としては力を発揮できなかった。
 私(露久保)は、連敗の記録を追っていくうちに、あることに気付いた。2019年のヤクルトのセ連敗タイと、1998年のロッテの日本最多連敗には共通点があった。何か?  それは参議院選挙との関係だった。ワーストとタイ記録が生まれた両年には、国政選挙が行なわれている。この奇妙な符合が将来再現するなら、第26回参院選が実施される2022年には、連敗の記録はさらに伸びて「大波乱」の年になりそうなのである。(了)