「6番打者論」(真々田邦博=NHK)

▽2つの狙い、「気楽」と「期待」

「球辞苑」というNHK-BS1で放送している野球ファン向けのマニアックな番組をご覧になった方は、多いのではないでしょうか。
 3年前になりますが、「6番打者」のユニークなタイトルで放送された番組を思い出しました。
この番組に出演した、元阪神タイガースなどで監督を務めた岡田彰布さんが6番打者の定義を語っていました。
 「特別な定義はないが、言える事は、6番打者はかつてはクリーンアップトリオを打つていたが、ちょっと力が落ちてきたので気楽に打ってもらうためと、もうひとつは、若手で将来のクリーンアップを打ってほしい期待の打者に育ってほしい人を配置する事を考えられる」と。

▽6番はスラッガーの“登竜門”

まさに2016年の広島カープが25年ぶりに優勝した年に優勝に大きく貢献したのが、鈴木誠也選手でした。
 「神つている」
という言葉が流行語大賞になるほどの大活躍でした。
 入団3年目の鈴木選手は、「6番打者」でスタートして着実に力をつけて、広島の主力打者に成長しました。
 昨年は、巨人軍の岡本和真選手もドラフト1位で入団して期待された選手でした。4年目のシーズンに6番打者でスタート、急成長して途中からは4番打者として3割、30本塁打、100打点を達成し、巨人の主力打者に成長しました。
 今年も、6番打者に注目です。ヤクルトの2年目村上宗隆選手、ロッテの2年目安田尚憲選手など、多くの球団の6番打者からの成長を期待したいと思います。(了)