ロボット判定、球界に“令和ショック”(菅谷 齊=共同通信)

◎ロボット判定、球界に“令和ショック”

 「そうなったら、もう野球じゃねえな」
 こんな声が野球人の間で交わされている。ジャッジをロボットがする-との動きが現実味を帯びてきたからである。米球界ですでに採用されており、大リーグも数年の内に採用の可能性が出てきた。
 単純に想像すれば、捕手の後ろにロボットがいるというわけである。
 「捕手が捕球しないで避けたらロボットが壊れないのかね。初球で終わっちゃうこともあるだろうね」
 バカバカしい話だと思うけど、今の世の中、そんなバカバカしい話が現実になる時代と考えると、野球界はしっかり対策を練る必要がある。
 米球界では独立リーグのアトランティック・リーグなどが採用済み。その成果を、良しとしたのだろう、大リーグ機構と審判組合が2024年までの労使協定で「将来的に導入することで合意」となった。
 しかも20年にマイナー1Aで取り入れ、21年には3Aで採用と、段階的に導入していく考えで、このスピードだと大リーグは22年から、との予測も出ている。
 表面的には「正確なジャッジが保証される」ことなのだろうが、審判員の人件費が絡んでいるような気がする。
 大リーグが導入すれば、当然、日本も導入することになるだろう。
 20年の東京五輪ではAI採点が導入されるというから、「スポーツとIT合体」の流れはできている。
 「ロボット相手に文句は通用しないな。それどころか、不満そうな顔をしたら即“ゲットアウト”(退場)と言われるかも」
 評論家のオジさんたちはどう解説していいのか、もう困っている。
 「正しい判断をするロボットですね」 
 お笑いみたいな解説だけれども笑えない話なのである。野球界を襲う令和ショック。恐るべし、IT時代-。(菅谷 齊=共同通信)