「クライマックス論議を」―(山田 収=報知)

“カナノウ旋風”の中、王者・大阪桐蔭が史上初の2度目の春夏連覇を達成して夏の甲子園100回記念大会は閉幕した。野球ファンの目は、プロ野球終盤の闘いに注がれる。

ところが、両リーグとも独走状態である。

殊にセは広島が8月中旬に優勝マジックを点灯させた。3連覇は確定的である。必然的に興味はクライマックス・シリーズ(CS)出場権を得るAクラス入りと個人記録・タイトル争いに移る。

2007年から始まったCS。昨年、DeNAがセで初めて3位から日本シリーズ出場を果たした。公式戦で14・5ゲーム差を付けられた広島を破って…。結果論でいえば、143試合を制したチームが、6試合で日本一争いの舞台に立てなかった。
賛否両論あるだろう。それこそ3位から頂上が狙える下克上の面白さがあり、消化試合が減り、盛り上がりが一つ増えるとか、肯定的な意見があることは承知している。

しかし、首位から10ゲーム以上離され、まして勝率が5割に満たないチームに日本一を狙える資格があるのか。ファンにしてみれば、それぞれが応援するチームのポジションで、見方が変わってくるのかもしれない。

私は、ペナント覇者同士のシンプルな日本シリーズ一発勝負でいいと思う。CSの今後の存続も含めて、大いに論議すべきではないか。

高校野球だって、遅まきながらの改革を始めている。プロ野球も留まってはいられない。(了)