「大リーグ見聞録」(94)-(荻野 通久=日刊ゲンダイ)

◎選手のゴルフ好きは日米共通
▽「MLB OPEN」開催
 先日中旬(2025年11月)、MLBのホームぺージに野球にまったく関係の記事が掲載された。「MLB is taking an action to the fairway」との見出しで、ゴルフのトーナメント「MLB OPEN」が開催されたとの内容だ。MLBの現役、OBが出場し、プロアマ戦を含む3日間(11月12~14日)のトーナメントが行われた。
 コースはラスベガスのシャドー・クリークゴルフクラブ。TV中継もされたという。初日にはドジャースのベッツがショートホールであわやホールインワン。大いに大会を盛り上げた。デビッド・ライト(元メッツ)、ジョン・スモルツ(元ブレーブス)、などビッグネームも参加した。
 大リーガーでもゴルフ好きは多い。驚いたことがある。私が初めてメジャーの試合を見に行ったのはアトランタ。30年ほど前だが、ブレーブスの当時の本拠地はターナー・フィールド。そのときクラブハウスに隣接してゴルフのパッティング練習場があると聞いた。残念ながら実物を見る機会はなかったが、試合前、あるいは練習の合間に選手がパットの練習をする。リラックスのためか、上達のためかは不明だが、スモルツもそこで腕を磨いたのだろうか。
 数年前、マイク・トラウト(エンゼルス)は故郷のニュージャージ州ハインランドにゴルフ場を作ることを明らかにした。トラウトもゴルフ好きで知られ、それが高じてゴルフ場オーナーに。設計はタイガー・ウッズで2026年に開場予定だ。夫人は高校時代から付き合っていたクラスメート。故郷に錦ではなく、ゴルフコースか。
大リーガーは過酷な日程のシーズン中にもラウンドする。個人の楽しみというより、チャリティーゴルフ大会を開催。集まったお金を地元の施設や病院などに寄付する。参加した日本人大リーガーが「日本ではシーズン中のゴルフは無理。やるのはシーズンオフで、ファアウエーの芝生はほとんど茶色。緑のファアウエーが新鮮だった」と話していたものだ。
▽キャンプ休日はすべてゴルフ
 プロ野球でも、ゴルフ好きな選手やコーチは多く、中にはオフはゴルフ三昧も珍しくない。キャンプ中は監督の考えひとつだが、座って長時間、麻雀をやるよりゴルフの方が体にいい、とゴルフを解禁するチームもある。もっとも中にはキャンプの練習休みすべてにコースに予約を入れ、「やり過ぎた!」と監督から叱責されたコーチもいた。
 P・ニークロ、T・ウエイクフィールド、R・A・デッィキーといえば、いずれもナックルボールを駆使した名投手。その3人がフロリダでゴルフをしながら、ナックルについて語り合うドキュメンタリー番組を見たことがある。オフのゴルフは日米に共有する楽しみのようだ。
 ちなみに先のコーチはその年限りで退団した。キャンプ休日のゴルフが原因だったかは、定かではない。(了)