◎チーム作りの評価

プロ野球の監督は1年ごとの勝負、成果を問われる。優れた戦力を持っていても、勝てなければたたかれる。原因が主力選手の故障などによる戦列離脱があっても。
 チーム作りは、だから大変な作業なのである。
 長期展望に立って作るか、短期勝負に出るか。親会社の都合、ファンの理解などが大きく影響する。
 3連覇など黄金時代を築いた球団は、3年後とか5年後を考えていた。戦力を確実に集め、鍛えておく。
 そんななかで特筆すべきは西武である。広岡達朗が監督になって、弱小を強力にし、それを土台に続く森祇晶が常勝に導いた。
 広岡はヤクルト監督で球団初優勝をもたらした実績があったが、西武では素晴らしい育て方をした。基本を教え、プロとしての自覚を植え付けた。表彰を受けた選手でも基本が欠けていれば指摘して指導し、調整がしっかりしていなければ主力選手でも起用しなかった。
 その結果が1982年に西武に初優勝をもたらし、83年、85年の優勝につながっている。
 見逃してならないのはフロントのバックアップ。根本陸夫管理部長の補強の手腕である。監督時代に自らの人脈と知恵を駆使して将来性のある選手を獲得し、勝てる戦力が整ったところで大物外国人を取った。そして広岡に委ねた。広岡内閣の知恵袋だった森が引き継ぎ、V9巨人に劣らない強豪チームにした。
 広岡、森の時代に在籍した選手で、その後に監督となった人の多いこと。長く球界で仕事をする人材を多く輩出したところに、チーム作りのほんとうの価値がある。(菅谷 齊=共同通信)