第17回 Sunny Day Sunday(島田健=日本経済)

◎真夏の野球応援歌

▽グループ最大のヒット曲

1998年(平成10年)にデビューしたセンチメンタル・バスは、NATSU(赤羽奈津代)とアキノリ(鈴木秋則)二人のユニット。2000年末に解散した短命グループだったが、この唄だけで、名を残した。
 ポカリスエットのCMに採用されたのは、もちろん大きかったが、真夏の野球を見にいくカップルを描写した99年8月リリースの歌詞は、夏の高校野球の応援歌の定番となった。このグループを一発屋という人もいるが、野球のとっては価値ある一発となった。

▽39度のとろけそうな日

こんな暑い日にカップルで野球に観にいく人がいるのかどうかは疑問だが、歌詞は「39度のとろけそうな日 炎天下の夢 Play Ball Play game! “せーの”で走り出す デートならデーゲーム」で始まる。いまどきなら、デートで真夏の高校野球を観に来てくれるとは最大の野球ファンだろう。
 「39度のとろけそうな日 炎天下の夢 Let′s go! Let’game! “せーの”で走りだす 青い夢を弾ませて 君の目にもっと私の想い」
 繰り返しも熱い。

▽いいリズムでノリノリ

基本リズムは「タタタータタタ」。ヒットした曲であり、真夏の甲子園にぴったりの歌詞、それにリズムもいい。今や夏の甲子園の応援曲の定番になった。
 近くは18年夏の4強になった愛媛の済美高。そのほか日大三高や愛工大名電高など、多数の応援団のレパートリーになっている。

▽ほんとうはラブソング

「君の笑顔は いつの日も小麦色した球児みたい 豪快なため息で苛立つ汗を拭いながら」「いつもの日曜日 ただ君を見つめている ゲームの行方より ずっと君がきになる」「はたから見れば 子供すぎて 馬鹿げた二人かもなぁ でもねぇうまく言えないかもしれないけれど しあわせだ」
 内容はカップルの唄だが、今や野球の唄といえば、この曲が必ずランクインする。98年といえば松坂大輔(横浜高)が決勝でノーヒットノーランし春夏連覇を達成した年。翌年も高校野球が熱かったシーズンだった。(了)