「スポーツアナウンサーの喜怒哀楽」(23)-(佐塚 元章=NHK)
◎連日の神宮球場通いはなぜ?
11月は野球観戦の超繁忙期?である。2025年のシーズンは11月1日、2日に東京六大学野球早慶戦が行われ神宮球場に日参、8日は早稲田大対ハワイ大の親善試合を東伏見の早大安部球場で観戦。9日は再び神宮に舞い戻り東京都秋季高校野球決勝戦、帝京対関東一の試合を見る。帝京が16年ぶりに秋の都大会を制し、来年のセンバツ出場がほぼ決まった。翌10日、11日は東都大学野球1部、2部入れ替え戦、駒沢大対立正大の1回戦、2回戦を観戦。立正大が連勝して2021年以来9シーズンぶり来春の一部復帰を決めた。
さらに14日から19日までは明治神宮野球大会、高校の部、大学の部を観戦する。今大会は高校が九州国際大付(福岡)が優勝、大学は青山学院大が大会連覇しシーズンのフィナーレを飾った。明治神宮大会は、4試合の日は第1試合が午前8時半開始、第4試合はナイターになることもしばしばである。この時期、神宮の朝夜は寒くて震えることもある。防寒コートをかぶり、帯カイロを胸ポケットに入れての観戦となる。
現役を引退した後、もう数年、11月はこんな日程をこなしてる。我ながら「馬鹿だねー」「別に仕事でもないのに!」と思うことも度々である。が、朝早く目覚めてしまい、足は自然に神宮球場に向かうのである。実は、私は小学校の頃から野球観戦好きで、故郷静岡の自宅近くの草薙球場で、中学野球、高校野球、社会人野球を夢中で見ていた。小遣いが足りず、入場券が買えなくなると、ライトスタンド後方の大きな木に登って観戦していたという少年だったのである。
職業にしてしまえばタダで見られるから、野球実況アナウンサーになったと言っても過言ではない。現役を引退した今は、もちろん入場料を払って球場に入る。大学野球2000円、高校野球は1000円である。
なぜ、こんなに熱心になれるのか? もちろん野球ゲームそのものが面白い、奥が深い。何千、何万?という試合を見ても、同じという試合はない。飽きない。私が観戦に行く試合はすべて学生野球、アマチュア野球である。これは何故だろう。一言で言えば若者が好きなのである。青春まっただ中の若者が、損得抜きに夢中でプレーをする。そこに多くの喜怒哀楽が生まれ、感動と出逢う。さらに、自分の青春時代も甦ってくるのである。
私は今、74歳。身体が動く限り、神宮球場を中心に、アマチュア野球詣でを続けたいと思う。(了)
