「たそがれ野球ノート」(32)-(小林 秀一=共同通信)
◎7イニングでは出番がない
高校野球が7イニング制へ向けて動き出している。
昨年の国民スポーツ大会では取り入れられ、その後の高野連の検討会議では「採用が望ましい」という結論が出て、現時点では2028年夏甲子園大会の予選から行われる見通しだという。
暑さ対策だけでなく、少子化や働き方改革などさまざまな観点からの方向付けだ。海外の野球を見ると、18歳以下カテゴリーではワールドカップなどの国際大会をはじめ、米国、カナダ、豪州、ドミニカ共和国、キューバ、コロンビア、台湾などはいずれも7イニング制で行われている。
流れは完全に決まっているようだが、OBの意見を見ていると、大きく割れているのが興味深い。
まず、甲子園の球史に輝く投手の一人、斎藤佑樹さんは新聞紙面でこう語っている。「もちろん暑さ対策もあるが、7イニング制になれば投手のペース配分も変わる。つまり球速が上がり、それに対応しようと打者も進化する。よりレベルの高い野球が見られるということですね」
導入反対の代表は日本とMLBで活躍した上原浩治さんか。息子さんがアメリカの高校で野球をプレーしているというが、7回で終わる試合を観戦に行くといつも「あと2イニングはやらせてやりたい」と思ってしまうという。
「高校時代、僕は控えだったから、途中から登板して最後に打席にも立てた。7回だったら試合に出ていなかったかもしれない。下手したら試合は1時間で終わってしまうかもしれない。そうなるとやっている方も見る方も消化不調ですよ」
高野連の動きとは裏腹に現場からは反対意見も強く出ているようだ。
かつての記者仲間で、今でもネット記事を書き続けているスポーツ紙OBはこう語る。
「国際的には7イニング制なのだろうが、日本の高校指導者は、西谷さん(浩一・大阪桐蔭高監督)をはじめ八、九割は反対していますよ。現場の声をもう少し聴いて結論を出してほしい」
プロ野球記者OBクラブのみなさんの意見を聞いてみよう。(了)
