◎告! 野球が変わるぞ(菅谷 齊=共同通信)

セ・リーグがついに指名打者制度の導入を前提に動いた。「野球はルールの変遷」を改めて実感したニュースだった。高校野球もそうなるし、9人野球は間もなく姿を消す時代を迎える。
 これまで野球は2つの大改革をした。一つは、イニングに関係なく21得点で勝利の得点優先から、9イニングの得点差で勝敗を決めるイニング優先。もう一つは9人ずつの試合から指名打者を採用した10人野球への移行である。ただし指名打者制度の採用はリーグ、団体などの裁量だった。
 野球は今後も時代が要請するルールを取り入れていくだろう。止めようのない人口減でそうせざるを得なくなるからである。それに「公平」の考え方が一層強まり、多くの選手が試合に出場する“全員レギュラー”になることも予測できる。
 指名打者制度の導入は、攻撃優先を明確にすることによって観客動員を目的とした大リーグのア・リーグが取り入れた政策だった。投手にとって不利になることが目に見えていた。球界はボクシングに例えると、テクニックを駆使するアウトボクシングよりパワーパンチのヘビュー級の闘いを求めたわけである。飛ぶボールが復活して“ホームラン狂時代”になるかもしれない。
 球界の未来図に興味がわく。
 こんな時代を想像してしまう。アメリカンフットボールのように、オフェンス・メンバーとディフェンス・メンバーでチーム編成し、多くの選手が試合出場できる、と。指名打者制度だから投手の登録人数も増加することになりだろう。1チーム40人ぐらいの選手でプレーするシーンが目に浮かぶ。控えとなる選手は野球を辞めてしまうだろう。全員レギュラーに向かってルールは変わっていくと予想する。
 そのころAI審判になっているだろうから、試合運びは早くなり、ミスジャッジでもめることもなくなると思う。
 野球は「民主主義の象徴」と言われているからルールは攻守平等の精神が貫かれている。守備側にアピール権を与えているのはその考えからである。セ・パ両リーグともDH制度になったとき、投手記録の整備も求められるだろう。たとえば「先発は5イニングを投げて勝利投手の権利」は真っ先に手をつけなければならない項目である。2番手以降登板の投手が1イニングで勝利をつかむことと比べてみれば分かる。
 22世紀を迎えるころは、19世紀に始まった野球ゲームは大きく姿を変えているような気がする。(了)