「たそがれ野球ノート」(30)-(小林 秀一=共同通信)
◎記者はオフだって忙しい
11月から12月、現場に動きのないプロ野球のオフシーズン、「暇になったでしょう」とよく言われたものが、野球記者にとって決してそんなことはないのだ。
12球団は来シーズンに備えた態勢づくりを急ピッチで進めている。まず体制づくり。首脳陣を固め、ウイークポイントの強化に重点を置いて選手のこまをそろえる。
トレードや、自由契約になった選手の獲得など、球団職員も含めて、動きには目が離せない。このあたりはニュースの宝庫になってくる。
その一方で、選手たちは順に球団事務所を訪れて来年度の契約を更改していく。直接球団の幹部と対面して、来シーズンの年俸を話し合って決めていくのだ。
スカウトたちはドラフト指名選手との入団交渉を重ねている。注目選手は選手サイドのカバーも必要になってくる。野球記者は結構忙しい日々を送ることになるのだ。
さらに、球界再編の問題や、球団身売り、アマチュアとの関係を脅かす事件など、これまで球界を揺るがす騒動は何度となく起きたが、そういったことに巡り合ったら、シーズン中以上のハードな取材活動が求められる。
担当球団を持つ野球記者はオフシーズン、連日球団事務所に通うことになる。
たそがれ記者も現役時代を思い起こすと、この時期、日ごろ手薄になっている球団幹部との接触に時間をかけることができ、翌シーズンに役立つような情報を得ることだってめずらしくはなかった。(了)
