「マイクから小話」(1)-(山下 末則=日本テレビ)
◎「Wの悲劇」ではなく「Kの悲劇」
長嶋茂雄さんがかつて私に「正月の国民的行事だね」と言った箱根大学駅伝は、2026年は青山学院大が往路・復路を制しての総合優勝で3連覇を成し遂げました。大会前の下馬評では前年11月の全日本大学駅伝で優勝した駒澤大も優勝候補に挙げられていましたが、故障者が大会に間に合わず6位という意外な結果に驚いた駅伝ファンは多かったのではないでしょうか。
実は、私は大会前の12月中旬に駒澤の大八木弘明総監督と日本テレビの某アナウンサーと3人の食事会を催しました。その際、大八木さんは往路担当の大エースの佐藤圭汰が足の故障で大会に間に合わないかもしれない、また、5区山登りの山川拓馬も故障で大会出場が微妙ことを明かしてくれました。もちろん、この事は他言無用です。
帰り道、大八木さんには申し訳ないが、駒澤の優勝は絶望的だと感じ、駒澤ファンの私はガッカリしました。結果的には2人とも復路を走りましたが、往路で青山学院に大差をつけられ、駅伝の流れを引き戻すことは出来ず、6位に終わりました。
早稲田OBの瀬古利彦さんは、4区終了時点2分13秒差でスタートした早稲田の工藤慎作が青山学院の黒田朝日に逆転された悔しさもあったのでしょう、映画のタイトルになぞらえて「Wの悲劇」とコメントしました。しかし、駒澤にとってみれば、主力選手の故障で往路が想定外の結果に終わったのはまさに「Kの悲劇」ではなかったのではないでしょうか。(了)
